上肢障碍者からの「iPad でYoutube を見たい」という要望に応えるべく、iPadの設定を考えてみました。3つのボタンは押し分けられるけど、スイッチコントロールの「グライドカーソル」をタイミングを合わせて押すことは難しいといった状況なので、「項目モード」を使います。iOS 16.3.1 を使用しています。
スイッチインターフェース
スイッチインターフェースは、何でもいいですが、USB-C ポートのある機種なので「Microsoft アダプティブハブ」をUSBケーブルで接続しました。
無線接続では、充電しなくてはいけないし、Bluetooth接続に関するトラブルが多いことも考えて、有線接続をお勧めすることが多いです。
準備として、「Microsoft アダプティブハブ」をWindowsPCにBluetooth接続して、Microsoft Accessory Centerアプリを使用した設定が必要です。このあたりの準備は、福島先生のサイト「Sam's e-AT Lab」にとても分かりやすい解説があります。
スイッチコントロール用の設定
「Microsoft アダプティブハブ」を iOSのスイッチコントロールで使用するには、3.5mmオーディオジャックに、キーボードのキーを割り当てる必要があります。以下の動画では、[Space] [Enter] [1] [2] のキーと、マウスのクリックを割り当てています。この設定で、4つのスイッチコントロールの外部スイッチとして使用できます。
今回の使い方では、この設定に限らず、どんな文字でも3つ以上のキーが割り当てられていればいいです。
接続の確認方法
スイッチコントロールを設定する前や、スイッチが反応しないなと思うときに、まず実施するのが、アプリ「メモ」を使ったキー入力の確認です。
スイッチインターフェースが、有線でも無線でも、どんな機器でも使える方法です。
スイッチインターフェースを介してスイッチを接続すると、iOSから見たら、USBキーボードや無線キーボードが接続されたものと認識します。だから「メモ」を起動しても、スクリーンキーボードは出てきません。
(1)「スイッチコントロール」を OFF にする
(2) アプリ「メモ」を起動する
(3) 接続されたスイッチを押して、Space や Enter や 1 や 2 がメモに入力されることを確認する。
YouTube を見るための操作方法
スイッチコントロールで YouTube を操作した実例を示します。3つのスイッチを使用し、「項目モード」でハイライト移動を手動に設定してあります。
登録チャンネルを開きますので、事前に、Googleアカウントでログインして、お好みのチャンネルを登録しておいてください。
上記操作のための設定方法
上の動画の操作をするためには、以下の動画の設定を行っています。
3つのスイッチに、「前の項目に移動」「次の項目に移動」「項目を選択」を割り当てます。
ハイライトのスタイルは「手動」、移動の繰り返しは「0.75秒」
タップ後にフォーカスされる項目は「現在」
これにより、スイッチを押しっぱなしにすると、0.75秒ごとにハイライトが移動します。この数値は、使用者に合わせて調整してください。
項目をグループ化は「OFF」、大きいカーソルを使用は「ON」
「項目を選択」のスイッチ(ここでは赤色ボタン)を押して表示されるハイライトメニューの項目数は、使用するものだけに絞ってあります。お好みに合わせて、アレンジしてください。
[メニュー項目] [最上位レベル] で設定します。
最上位レベルに"保存済み”がない場合は、[メニュー項目の追加] [ジェスチャ] で [保存済み] にチェックを入れてください。
”最初のページを簡略表示”はOFF にします。